五枚橋ワイナリー メルロー2023AF (古樽熟成)
内容量:750ml アルコール度数:13.0%
瓶詰め本数:266本
メルロー100%の樽熟成。糖度19.3度、夏から秋の高温で色付きの悪い房は畑で徹底して落とし、収穫された葡萄をさらに選果し、仕込んだワインです。
タランソー社のアリエール産オーク樽での熟成。透明感のある旨味を伴う柔らかい果実味に、この年特有のブルゴーニュ的印象が重なる味わい。樽の成分と共鳴して味の奥行きとふくらみが広がってやや厚みを感じるワインです。
2023年の葡萄
2023年の春は、昨年同様天候に恵まれ、例年よりかなり早く発芽しました。発芽時期の虫の食害対策により順調な枝の生育。その後6月にしては多い日照時間、また6月から7月にかけての積算温度の高さが功を奏し、ハンディがあると言われる東北の気候下らしからぬ生育の進み具合。房がそろった時点では、理想的な房が並ぶ風景は壮観でした。
ところが、8月に入って例年ならば下がってくるはずの気温が一向に下がりません。真夏日が続き、下旬には34℃台の経験したことのない気温の日々。葡萄はこの時点で「また夏が来た」と勘違いしたかのように、熟れていくはずの房の着色が遅れ、糖度が上がりません。色づきには、9月の気温が下がっていくのが非常に重要なのですが、この年は全く下がってくれませんでした。色づきに必要なブドウの養分を確保するため、できる限り房の数を落としましたが、それでもなかなか進みませんでした。10月に入ってやっと気温が下がったのですが、収穫量を大幅に落とした努力も効果が薄く、着色と糖度が低めの年となりました。
発酵が終わったワインは、前半の生育が順調だったことが幸いし、例年と違って少し軽やかではありますが、うまみのある雰囲気を持ったワインに仕上がりました。
当社の赤ワインは発酵時の温度が必ず30℃を超えるように設定し、これによって生葡萄のトーンを昇華し、落ち着きのある赤ワインの雰囲気を纏わせることを基本としています。このため、2年熟成後の色は、赤色の中にわずかに黄色みがかった、ガーネット色となっています。