2023年の春は、昨年同様天候に恵まれ、例年よりかなり早く発芽しました。発芽時期の虫の食害対策により順調な枝の生育。その後6月にしては多い日照時間、また6月から7月にかけての積算温度の高さが功を奏し、ハンディがあると言われる東北の気候下らしからぬ生育の進み具合。房がそろった時点では、理想的な房が並ぶ風景は壮観でした。
ところが、8月に入って例年ならば下がってくるはずの気温が一向に下がりません。真夏日が続き、下旬には34℃台の経験したことのない気温の日々。葡萄はこの時点で「また夏が来た」と勘違いしたかのように、熟れていくはずの房の着色が遅れ、糖度が上がりません。色づきには、9月の気温が下がっていくのが非常に重要なのですが、この年は全く下がってくれませんでした。色づきに必要なブドウの養分を確保するため、できる限り房の数を落としましたが、それでもなかなか進みませんでした。10月に入ってやっと気温が下がったのですが、収穫量を大幅に落とした努力も効果が薄く、着色と糖度が低めの年となりました。
発酵が終わったワインは、前半の生育が順調だったことが幸いし、例年と違って少し軽やかではありますが、うまみのある雰囲気を持ったワインに仕上がりました。
当社の赤ワインは発酵時の温度が必ず30℃を超えるように設定し、これによって生葡萄のトーンを昇華し、落ち着きのある赤ワインの雰囲気を纏わせることを基本としています。このため、2年熟成後の色は、赤色の中にわずかに黄色みがかった、ガーネット色となっています。
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