2020年4月は、気温が低く雨続きの天気でしたが、5月から6月にかけて気温は比較的高く、晴天に恵まれ発芽は順調でした。しかし7月から8月上旬は雨が非常に多く、葡萄の生育には過酷な日々が続きました。8月に入って気温が高くなり、後半の晴天続きの時期は35℃近くの異常ともいえる気温が続き、葡萄畑全体がさび病に悩まされました。9月も比較的気温は高く、色付きが進まない状況が続きましたが、10月に入ってようやく低温になり好天に恵まれ、収穫を迎えました。この年のキャノピーマネジメント(葡萄の房、枝、葉の手入れ)は、雨続きで伸びやすい枝のケアや、できるだけ日光を当て風の通りをよくするなど、非常に注意を必要としました。収穫後の選果も、良い粒をしっかり残すために、厳選する必要があり、例年より手間と時間を要しました。その後の発酵は順調で、ボディの重さは感じないものの柔らかな果実味が印象的なワインに仕上がりました。